為替差損を出さないために、直接貿易で輸出をされている企業の方は為替予約の活用検討を!

為替差損

新型コロナウイルス感染拡大の影響でドル円相場が急速に円高方向に動いています。
今後も円高に進む可能性があるため、近々ドル建ての輸出取引予定がある方は為替差損のリスクを避けるために、現状のレートで利益が出るのであれば銀行で為替予約を行って利益を確定させる方法を知っておいてください。

〈為替予約とは〉
簡単に言うと今のレート(例えば1ドル=103円)で両替する権利を、手数料を払って金額と期間を指定して銀行に予約しておく仕組みです。予約した期間・金額であれば、今後ドル円相場が1ドル80円になろうと、予約した1ドル103円で両替してもらえます。ただし予測が外れて相場が有利になった場合(例えば1ドル120円等)でも予約をキャンセルすることはできず、かならず予約したレートで両替しなければいけません。

やり方は銀行により異なりますので、取引銀行の国際部の方に確認してください。電話で受け付けてくれる銀行もあれば、オンライン上で自分で操作する銀行もあります。

今後貿易取引の可能性がある方は、輸出販売価格を決める際にその時点のレートで計算するのではなく、為替差損のリスクを経費として計上して見積もりを出すようにしましょう。
また取引の確度が高い場合は、損をしないレートで為替予約を行い利確させておくことも大事です。

今後為替相場はどちらに動くかわかりませんが、為替で利益を出そうとは絶対に考えないことです。
ギャンブル的に相場の上昇を待つのではなく、確実に利益が残るタイミングで利確させることが大事です。
私もリーマンショック時は為替予約をフル活用して為替の乱高下を乗り切りました。
見積もり時の為替差損リスクの上乗せ、契約時の為替予約の二つがあれば、少なくとも為替の乱高下による傷は最小限で抑えられます。

輸出には逆風の情勢ですが、セーフティネットを総動員して乗り切りましょう!