物流担当者必見!3大輸送トラブル(破損・紛失・遅延)の防止策と発生時の対応ガイド
みなさんこんにちは。
坂田貿易支援事務所の貿易実務代行担当、フォワーダー出身のIです。
貿易実務をしていると、誰もが経験する「貨物トラブル」。「急いでいるのに貨物が届かない」「届いた貨物が破損していた」と焦った経験がある方も多いのではないでしょうか。
今日は輸送中に起こりやすい代表的なトラブルと、その原因・対策・対処法について一緒に学んでいきましょう。まずは、どんな場面でトラブルが起きやすいのかを確認します。
この記事はこんな方におすすめです。
・輸送中の貨物トラブルを防ぎたい方
・トラブルが起こった時の対応方法を知りたい方
目次
3大輸送トラブル

貨物破損
貨物破損とは、輸送中に外装(梱包・パッケージ)が傷んだり、中の商品にダメージが入ることを指します。ひどい場合は商品として使えなくなることもあります。
よくあるパターンとして、一緒に積まれた他社貨物からの液漏れで箱が濡れて破れてしまうケース、コンテナ内で荷崩れが起きてダメージが発生するケースが挙げられます。また、輸送中の温度変化や湿気によって商品にカビや錆が発生するケースもあります。いずれも原因の特定と対策が重要です。
貨物紛失
貨物紛失とは、貨物が目的地とは別の場所に輸送されてしまったり、行方不明になってしまうことです。貨物のサイズが小さく軽い場合に起こりやすいトラブルで、「確かに送ったのに届いていない」という状況は、貿易実務者が最も戸惑う場面のひとつです。
貨物遅延
貨物遅延とは、国際情勢の変化や悪天候の影響で船や飛行機のスケジュールが乱れ、貨物が期日に間に合わないことを指します。世界情勢が不安定な時期や自然災害が多い季節には特に発生しやすく、どれだけ準備していても避けられないトラブルです。
各輸送トラブルの対策と対応

貨物破損→対策:梱包を見直す
破損トラブルの多くは、梱包の改善で防ぐことができます。商品が輸送中に動かないよう緩衝材をしっかり入れ、商品の性質に合った梱包資材を選ぶことが基本です。
例えば、シングルカートン(一重段ボール)は水濡れに弱く、すぐに破れてしまうことがあるので、ダブルカートン(二重段ボール)にすることで強度を上げることが可能です。
さらに、輸送中の貨物の扱いは想像以上に荒く、軽い貨物は投げられたりもします。箱が複数ある場合はパレット梱包にすることで「投げる」という行為を防ぎ、破損リスクを下げられます。
リスクを最小限に抑えたいなら、大量輸送を始める前に小ロット輸送を試してみましょう。少量貨物を航空便やLCLで実際に輸送し、劣化や破損の有無を確認することで、対策を立てられます。
対応方法:状況を記録に残す
貨物が破損していた場合、まず破損状態の写真を撮り、数量と状態を記録に残しましょう。これは後の保険請求や取引先との交渉に必ず必要になります。貨物海上保険に加入している場合は保険会社に連絡します。査定人が来ることもあるので、保険の処理が完了するまでは原則として破損品を保管しておきましょう。補償範囲は保険の種類によって異なるため、内容確認をしておくといいでしょう。取引先が保険をかけている場合は、取引先から保険会社へ連絡して保険請求の手配をすすめます。
貨物海上保険に入っていない場合は、商品の交換や補充を交渉する流れになります。いざというときにスムーズに進められるよう、契約時に「破損時の対応方法」を取り決めておくと安心です。
貨物紛失→対策:まとめる・目立たせる
小さい貨物や複数口の貨物は紛失リスクが高くなります。可能であれば1個口にまとめるか、パレット梱包にすることで紛失しにくくなります。少量の貨物であれば、国際宅配便の方がコスト面でも割安になる場合があります。
もうひとつ重要なのが「ケースマーク」の貼付です。ケースマークとは、荷物を識別するための記号・番号・荷送人名などを記載したラベルのことで、LCL貨物や航空貨物では必須です。ケースマークがないと、紛失した際に探し出すのに大幅な時間がかかります。ケースマークを貼付したら、インボイス・パッキングリスト・BLにも同じ内容を記載しましょう。書類と貨物の照合がスムーズになります。
対応方法:フォワーダーに追跡を依頼する
貨物が見つからない場合は、荷送人・荷受人の双方からフォワーダーに追跡依頼をしましょう。航空便の場合、トランジット(積み替え)の中継地点で止まっているケースも少なくありません。早めの連絡が早期発見につながります。
貨物遅延→対策:在庫を持つ、スケジュールの逆算
残念ながら、貨物の遅延は貨物海上保険でも、船会社、航空会社、フォワーダーでも補償されません。そのため、在庫をある程度持っておくことが、不測の事態への最大の備えになります。
またスケジュールを組む際は、多少の遅延が出ても問題ないよう余裕を持たせることが重要です。日本に台風シーズンがあるように、世界各国にも繁忙期や異常気象が起こりやすい時期があります。そうした時期を事前に把握したうえで、納期から逆算してスケジュールを立てる習慣をつけましょう。
対応方法:書類準備と対応策を練る
いつ届くかわからない貨物を待つのは、誰もが不安と焦りを感じます。私自身も何度も経験しました。しかし国際情勢や悪天候は誰にもコントロールできません。こういった状況では、フォワーダーと密に連絡を取り合いながら、貨物が到着した瞬間に動き出せるよう必要な書類を事前に準備するのが最善策です。
貿易は事前の対策が何より重要!

最後に、船便のBLの裏面には、貨物を積載するための約款(ルール)が記載されており、船が沈没しても遅延しても、船会社から貨物の補償は受けられないことが明記されていることをご存じでしょうか?(SWBは2枚目以降)私たちは、そのルールに同意したうえで貨物を預けています。
船社、航空会社、フォワーダーは物流のプロですが、その役割はあくまで物流の実行です。リスク設計などの上流工程は荷送人と荷受人でしっかり整合する必要があります。もしこの部分に不安のある方は、リスク設計をはじめとした全体設計をサポートしてくれる専門家や、フォワーダーとの交渉を代行してくれる貿易代行業者に事前に相談してみることをお薦めします。
貿易は事前の対策が何より重要です。完璧な備えはなくても、準備があるかないかで結果は大きく変わります。出来るところから、取り組んでみてくださいね。

